地図APIを詳しく知る上で備えておきたいのが、身近なAPIのひとつである郵便番号検索APIに関する知識です。このページでは、郵便番号検索APIの基本や活用シーンについて詳しく解説しています。
郵便番号検索APIとは、郵便番号から住所のデータを取得するためのウェブサービスです。日本郵便が公開している全国の郵便番号データをもとに、ブラウザからアクセスするだけで郵便番号に該当する住所が分かります。
無料で利用できる「zipcloud」が代表的で、有料では「ケンオール」や「PostcodeJP」などのサービスが知られています。「Yahoo!デベロッパーネットワーク」では、住所に加え「経度・緯度」といった位置情報も含めたデータを取得可能です。
郵便番号検索APIでは、町名だけでなく、小字や丁目、ビル名、階層なども提供されています。
ケンオールのように、サービスの中には京都市の通り名にも対応している高精度なものやYahoo!デベロッパーネットワークのように位置情報データを提供しているものもあり、郵便番号だけで詳細な住所を知ることができます。
常に最新のデータが提供されているので、手動でデータを更新する必要がありません。ブラウザからアクセスするだけで、いつでもリアルタイムなデータを利用できます。
中には、直近1年以内に市町村変更があった住所については英語表記で出力できないなどの制限条件も存在しますが、多くの郵便番号検索APIでカナ表記や英語表記の住所データが提供されています。
郵便番号検索APIには、個別事業所番号にも対応しているサービスがあります。この機能を活用すれば、独自の郵便番号を持つ大口の事業所など特殊な郵便番号からも住所を検索可能です。
ただし、事業所の個別郵便番号はサービスによって違いがあり、無料のzipcloudでは対応していません。必要に応じて事前に対応状況を確認しましょう。
郵便番号検索APIでは、ユーザーが郵便番号を入力すると、自動的に住所が補完される機能を実装できます。
オンラインショッピングや会員登録フォームで、住所や配送先の入力の手間を省けるため、手入力によるミス防止やユーザーの負担軽減につながるとして幅広く活用されています。
郵便番号から正確な住所を取得して配送ラベルの作成や配送料の計算ができるので、ECサイトの運営側にとってもメリットがあります。
一口に有料の地図APIといっても、サービスによって特徴や強みは異なります。また、適している用途も変わりますので、自社のニーズに見合ったサービスを導入しましょう。以下では、おすすめの有料地図APIサービスをご紹介します。
道路情報が必要な
事業・システム開発なら
MapFan APIでは、全国の道路をくまなく実装調査したデータを使用。
「車種別規制」「マップマッチング」「未来情報周辺検索」など、物流と相性の良い機能が充実したサービスです。
住宅地図を利用した
事業・システム開発なら
ZENRIN Maps APIは、古くから住宅地図事業に注力するゼンリンが提供。
建物に独自IDを付与し時系列で管理することが可能で、住宅関連の機能が充実したサービスです。
公共交通機関を使った
事業・システム開発なら
NAVITIME APIでは 、交通ルート検索や場所検索、乗換案内などの機能を提供。
徒歩や電車、バス、飛行機といった交通機関に関する機能が充実したサービスです。
【選定条件】
Googleで「地図 API」と検索し(2024年3月11日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP18社を調査。そのうち、以下の条件で有料版サービスを扱う3社を選定しています。
・MapFan API...調査した18社のうち唯一、地理空間データとツールを活用して問題を解決するリスト「世界の地理空間企業トップ100社」に選定(Global Top 100 GeospatialCompanies 2024)された企業。
・ZENRIN Maps API...調査した18社のうち、創業が1948年と最も古く、専門スタッフの現地調査により、住宅地図を更新し続ける企業
・NAVITIME API...調査した18社のうち、交通機関・ルート検索機能が最も多い企業