2024年4月8日時点、Googleで「地図 API」と検索し表示された地図APIサービスを扱っている公式HPの中で、配送業の事例掲載件数が多かった順に上位4つまで地図APIサービスを取り上げ、各サービスの事例を紹介しています。
システック社が自社サービス(次世代デジタコ「ロジこんぱす」)の管理用ソフトウェアとして、「MapFan API」の機能を活用した事例です。「ロジこんぱす」は、おもに運送業者向けの運行管理・労務管理のためのサービス。車両の車載器と管理者用パソコンをクラウドで連携し、情報のやり取りを行っています。
当時会社では対応していなかった工事情報が表示されること、サービスのビジネスモデルに寄り添った料金プランを提案されたことから、「MapFan API」を導入しました。
道路規制や工事情報がリアルタイムで表示されるため、配送が遅れた理由や状況などを運行管理者がすぐに確認できます。また、車両が走った軌跡を走行ルートの実績として地図上に表示することも可能。顧客からの問い合わせや事故があった場合、参考情報として役立つ機能です。
顧客の苦情などにも迅速に対応できるので、顧客からの信頼性向上にもつながるでしょう。
参照元:ジオテクノロジーズ公式HP(https://business.mapfan.com/case/detail/4126)
J-QuAD DYNAMICS社が、自動運転・車両運動制御のための統合制御ソフトウェアを開発する目的で「いつもNAVI API」を活用した事例です。
課題として、「車両走行のシミュレーション環境をさらに現実に近づけたい」「車両を走らせるうえで重要な傾斜や斜面を正確に再現したい」などがありました。そこで、「いつもNAVI API」を導入。
道路標高情報を取得することによって、勾配だけでなく、橋やトンネル、高速など、シミュレーション用のリアルな走行シーンを作成できるように。現地に行かずとも広範囲で信頼性の高いデータが得られ、机上評価でテストできる範囲が増えたそうです。
シミュレーションにかける工数や時間を大幅にカットでき、効率向上を実現。データ取得のため実際に運転する必要もなくなったので、人的負担も軽減できます。
参照元:ゼンリンデータコム公式HP(https://www.zenrin-datacom.net/solution/casestudy/matlab-jquaddynamics)
CBcloud社が、自社サービス「PickGo(ピックゴー)」にGoogle Maps Platformを活用した事例です。「PickGo」は、フリーランスの軽貨物ドライバーと、荷主を直接繋ぐマッチングプラットフォーム。軽貨物のほか、大型トラックや特殊車両を取り扱う運送会社、バイクや自転車パートナーともマッチングできるサービスです。
PickGoにはGoogle Maps Platformが組み込まれており、その機能をおおいに発揮しています。「ルーティング機能」では、始点・終点間の道順を計算するDirection Advanced APIを利用。複数の経路を表示できるうえ、Google独自の渋滞情報を考慮しているので、渋滞を避け時間をかけずに荷物を届けられます。
顧客が記載した配送先の住所が間違っていても安心。Google Maps Platformの Geocoding APIを利用することで、記載された住所を緯度経度に変換し、大きな確率で住所のゆらぎを吸収できます。
顧客の住所については緯度経度の精度レベルで情報を入手できるので、間違って配送するリスクを軽減できるでしょう。
参照元:ゼンリンデータコム公式HP(https://www.zenrin-datacom.net/solution/casestudy/gmapsapi-cbcloud)
ワイ・ビー・シー社が自社サービス「MAP-STAR WebGIS」にて、地図マピオンの各種APIを活用した事例です。「MAP-STAR WebGIS」は、地図によって営業や点検、配達などの訪問業務を支える支援ツールです。このツールには、地図マピオンの「地図情報配信API」「検索API」「ルート検索API」といった各種APIが導入されています。
APIによって、適切な訪問ルートの地図表示、担当エリア内の顧客を検索できる機能などが利用可能。訪問履歴もマッピングできるため、訪問していないエリアもすぐに把握できます。
日々の訪問活動や日報においても、おおいに役立つ機能が満載。写真や得意先情報を地図上に登録ですることで、ほかのスタッフと訪問活動の共有や把握ができ、業務効率化を実現できるでしょう。もちろん、ほかのスタッフがどこにいるかも一目瞭然です。
評価されたポイントは、見やすい地図デザインと、地図の緯度経度やルート情報の取得精度。高精度な情報が取得できるツールなので、ミスなく業務を行えるでしょう。機能開発の要望にも柔軟に対応できるなど、サポート体制も高く評価されているようです。
参照元:MaionBiz公式HP(https://www.mapion.co.jp/sales/casestudy/case_03/)
一口に有料の地図APIといっても、サービスによって特徴や強みは異なります。また、適している用途も変わりますので、自社のニーズに見合ったサービスを導入しましょう。以下では、おすすめの有料地図APIサービスをご紹介します。
道路情報が必要な
事業・システム開発なら
MapFan APIでは、全国の道路をくまなく実装調査したデータを使用。
「車種別規制」「マップマッチング」「未来情報周辺検索」など、物流と相性の良い機能が充実したサービスです。
住宅地図を利用した
事業・システム開発なら
ZENRIN Maps APIは、古くから住宅地図事業に注力するゼンリンが提供。
建物に独自IDを付与し時系列で管理することが可能で、住宅関連の機能が充実したサービスです。
公共交通機関を使った
事業・システム開発なら
NAVITIME APIでは 、交通ルート検索や場所検索、乗換案内などの機能を提供。
徒歩や電車、バス、飛行機といった交通機関に関する機能が充実したサービスです。
【選定条件】
Googleで「地図 API」と検索し(2024年3月11日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP18社を調査。そのうち、以下の条件で有料版サービスを扱う3社を選定しています。
・MapFan API...調査した18社のうち唯一、地理空間データとツールを活用して問題を解決するリスト「世界の地理空間企業トップ100社」に選定(Global Top 100 GeospatialCompanies 2024)された企業。
・ZENRIN Maps API...調査した18社のうち、創業が1948年と最も古く、専門スタッフの現地調査により、住宅地図を更新し続ける企業
・NAVITIME API...調査した18社のうち、交通機関・ルート検索機能が最も多い企業