ストリートビューのMapsをはじめとした様々な地図APIを提供しているGoogle社。
このページでは、Googleが新たに追加した「Environment API」に関する知識や活用シーンをご紹介します。
Environment APIとは、2023年9月にGoogleが発表した新しいAPI群です。特定の場所の環境に関する最新データを取得して、ビジネスに活用できるようになっています。
Environment APIでは、日照時間や建物の屋上・形状データといった太陽光発電のポテンシャルデータや大気質データ、花粉の飛散量を示す花粉データを取得可能。Google Maps PlatformのAPIを使えば簡単に導入できます。
太陽光発電会社が、住宅所有者に提供できるようにと開発されたのがGSolar APIです。太陽光発電による節電量を試算できる「Project Sunroof」を基盤に構築されたもので、Google Earth の画像を通して太陽光発電の設置に必要な情報を提供します。カーボンフリーの未来に貢献するため、今後、日本を含む40カ国以上で提供していくとのことです。
地域ごとの信頼できる大気質データにアクセスして、ヒートマップで大気中の汚染を可視化できるAPIです。マップのほか、汚染物質の詳細情報や講じられる対策についても提供しています。
過去のデータの他、政府の観測所やセンサー、気象データ、衛星、土地被覆、交通情報など、リアルタイムなデータがソースに活用されており、過去の大気質の変動を分析することが可能です。
世界的な問題となっているアレルゲンのひとつ「花粉」に関する情報にアクセスできるAPIです。
Pollen APIを使うことで、アレルギーの原因となる花粉に晒されるリスクを低減します。花粉の飛散量や地域のほか、花粉の曝露を最小限にするためのポイントも提供しています。
Environment APIの太陽光発電APIは、太陽光パネルの適切な設置箇所や不動産業界での住宅選びサポートなどに役立つ可能性があります。
大気質APIや花粉APIを活用すると、大気質や花粉の飛散情報から健康リスクを軽減するためのアドバイスに寄与します。都市計画における住民の健康維持や都市の環境改善にも効果的です。
その他、環境変化に関する理解の深化やサスティナビリティにつながる新しいサービス・ツールの開発にもつながるとして注目されています。
一口に有料の地図APIといっても、サービスによって特徴や強みは異なります。また、適している用途も変わりますので、自社のニーズに見合ったサービスを導入しましょう。以下では、おすすめの有料地図APIサービスをご紹介します。
道路情報が必要な
事業・システム開発なら
MapFan APIでは、全国の道路をくまなく実装調査したデータを使用。
「車種別規制」「マップマッチング」「未来情報周辺検索」など、物流と相性の良い機能が充実したサービスです。
住宅地図を利用した
事業・システム開発なら
ZENRIN Maps APIは、古くから住宅地図事業に注力するゼンリンが提供。
建物に独自IDを付与し時系列で管理することが可能で、住宅関連の機能が充実したサービスです。
公共交通機関を使った
事業・システム開発なら
NAVITIME APIでは 、交通ルート検索や場所検索、乗換案内などの機能を提供。
徒歩や電車、バス、飛行機といった交通機関に関する機能が充実したサービスです。
【選定条件】
Googleで「地図 API」と検索し(2024年3月11日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP18社を調査。そのうち、以下の条件で有料版サービスを扱う3社を選定しています。
・MapFan API...調査した18社のうち唯一、地理空間データとツールを活用して問題を解決するリスト「世界の地理空間企業トップ100社」に選定(Global Top 100 GeospatialCompanies 2024)された企業。
・ZENRIN Maps API...調査した18社のうち、創業が1948年と最も古く、専門スタッフの現地調査により、住宅地図を更新し続ける企業
・NAVITIME API...調査した18社のうち、交通機関・ルート検索機能が最も多い企業