地図APIとは、ウェブサイトやアプリで地図に関するデータを利用できるようにする仕組みをいいます。アプリなどで地図を表示する時や、ルートマップを作成する時などに、外部サービスを介してデータを取り込めるのが特徴です。
地図データは利用しやすい形で提供されており、必要なものだけ取得したり、オリジナル情報を追加したりもできます。
地図APIサービスは多数ありますが、主に以下のデータが提供されています。
住所や地図はもちろん、ルートや緯度経度などの情報も取得可能です。また、緯度・経度や標高などの情報のほか、特定の施設に関するデータも提供されています。このほか、サービスによって多種多様なデータを利用できます。
地図APIサービスを利用した場合、システム構築・開発にかかる工数や労力を削減できます。自前で地図データを用意する必要もありませんので、コスト削減にもつながるでしょう。
地図APIサービスのメリットは、リアルタイムな情報を取得できる点にあります。データのアップデートが不要な分、保守点検にかかる時間やコストを削減可能です。
また、提供されるデータの汎用性が高く、開発効率を高められることもメリットといえるでしょう。
地図データは著作権法で保護されているため、APIサービス利用時は利用規約を確認し、同法に則った範囲で利用する必要があります。また、二次利用については細心の注意を払い、プリントアウトする可能性がある時は印刷許諾もチェックしておきましょう。
地図APIサービスを選ぶ時は、最初に料金を確認しておきましょう。同様に利用できる機能についてもチェックが必要です。また、地図データの商用利用の可否や、サポート体制も確認しておくとよいでしょう。
地図APIサービスを導入する場合、組み込み予定のシステム・アプリの要件を定義しましょう。そのうえでサービスを比較検討し、必要な条件を満たしているか確認する必要があります。
サービスを選んだ後はAPIキーの取得・設定を行い、システムやアプリへ組み込みましょう。
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略です。インターフェースは「境界面」や「接点」という意味を持ち、APIを活用すれば異なるソフトウェアやプログラムを連携することが可能です。
以下のページでは、APIの制限について特徴や制限の種類などをまとめています。APIに制限を課す理由や確認方法なども記載しているため、地図APIサービスを新規導入する前に要点をチェックしておきましょう。
APIを使って開発を行う際には、課金体系やAPI提供元のシステムダウンなどに注意が必要です。また、リクエスト上限をオーバーすると必要なタイミングでAPIを利用できないことも。さらに、APIキーの取り扱いなど、さまざまな注意点を理解しておくことが重要です。
Environment APIとは、Googleが新たに提供をはじめた環境データを活用したAPIです。太陽光や大気質、花粉などの環境データを反映し、新たな地図サービスやツールの開発に活かせるとして期待されています。
環境データを活用するEnvironment APIの
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地図APIは商圏分析において非常に有用で、地理情報の視覚化、データ更新、詳細な分析を可能にします。ドライブタイムポリゴンを用いて交通状況を考慮した商圏設定や、競合店の情報収集に役立ちます。
日本郵便が公開している全国の郵便番号データをもとに、郵便番号から住所のデータを取得できるAPIです。町名だけでなく、小字や丁目、ビル名、階層、サービスによっては京都市の通り名や事業所も分かる高精度なAPIもあります。
地図APIの費用は、APIコール数や地図表示回数、利用する機能によって決まります。多くのサービスでは無料枠が設けられていますが、従量課金制や定額制のプランもあります。ルート検索やジオコーディングなどの機能は追加料金が発生するケースが多いので注意。キャッシュの活用やリクエスト数の最適化、無料枠の有効活用、大規模な場合はエンタープライズ契約も検討し、賢くコストを抑えましょう。
一口に有料の地図APIといっても、サービスによって特徴や強みは異なります。また、適している用途も変わりますので、自社のニーズに見合ったサービスを導入しましょう。以下では、おすすめの有料地図APIサービスをご紹介します。
道路情報が必要な
事業・システム開発なら
MapFan APIでは、全国の道路をくまなく実装調査したデータを使用。
「車種別規制」「マップマッチング」「未来情報周辺検索」など、物流と相性の良い機能が充実したサービスです。
住宅地図を利用した
事業・システム開発なら
ZENRIN Maps APIは、古くから住宅地図事業に注力するゼンリンが提供。
建物に独自IDを付与し時系列で管理することが可能で、住宅関連の機能が充実したサービスです。
公共交通機関を使った
事業・システム開発なら
NAVITIME APIでは 、交通ルート検索や場所検索、乗換案内などの機能を提供。
徒歩や電車、バス、飛行機といった交通機関に関する機能が充実したサービスです。
【選定条件】
Googleで「地図 API」と検索し(2024年3月11日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP18社を調査。そのうち、以下の条件で有料版サービスを扱う3社を選定しています。
・MapFan API...調査した18社のうち唯一、地理空間データとツールを活用して問題を解決するリスト「世界の地理空間企業トップ100社」に選定(Global Top 100 GeospatialCompanies 2024)された企業。
・ZENRIN Maps API...調査した18社のうち、創業が1948年と最も古く、専門スタッフの現地調査により、住宅地図を更新し続ける企業
・NAVITIME API...調査した18社のうち、交通機関・ルート検索機能が最も多い企業